Ninjin Music Blog

オリジナル楽曲の紹介やカバー曲を投稿していきます

ウルムチに纏わる詩(タヒル・ハムット・イズギル氏の詩による)


ウルムチ on Vimeo

 

 

1993年6月ウルムチで作詩 ●「聖なる儀式」

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/05/30/092717

 

2007年3月作詩 ●「ウルムチ

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/10/10/234259

 

上記の詩からの創作 ●「ウルムチ

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/09/16/071052

 

2015年4月ウルムチで作詩 ●「私の居場所」

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/10/17/125247

 

2015年7月ウルムチで作詩 ●「四十五歳」

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/10/15/052009

 

2015年12月ウルムチで作詩 ●「豪雪」

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/07/31/142214

 

ヒル・ハムット・イズギル氏のウルムチに纏わる詩に作曲した作品を集めました。タヒル氏の詩には現在詩集から選んで作曲中です。下記は既に作曲が完成して録音がまだのものです。時間を見つけて録音しようと思います。お楽しみに(^_^)    2021/12/18(土)

 

「崩壊過程」2021/11/8作曲

「身体」2021/11/10作曲

「無限」2021/11/12作曲

「都市の夜」2021/12/16~現在作曲中

 

◆2022/1/1追記

「都市の夜」の作曲は完了しました。録音待ちの状態です。先にタヒル氏の「一歳半の時」という詩への作曲がなされ録音しましたので、リンクを貼っておきます。↓

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2022/01/01/191558

詩の中に「駝鳥」が出てきます。タヒル氏の詩の中でこの詩にも駝鳥(駝鳥の卵)が出てきます。何か関連があるのでしょうか、わかりませんがその曲(「信念」まだ公開していませんが、)のリンクを貼っておきます。↓


信念 on Vimeo

「信念」に関する説明↓

ヒル・ハムット・イズギル氏の詩「信念」にメロディーをつけました。お聞きください。

※むかいだいすさんの投稿
 ↓
ウイグルを代表する若手実力派トップ詩人Tahir Hamut Izgil (タヒル・ハムット・イズギル)の新しい詩、「信念」を日本語に訳してみました。楽しんでください。
1969年カシュガルに生まれる。ウイグル若手詩人を代表するトップ詩人。2016年ウイグル詩人初でアメリカで詩の夕べ「夏は一つの陰謀」を開く。「新疆」芸術学院元助教授。『西欧現代文学概論』などの著書と『間と他』などの詩集がある。
Tahir Hamut 氏はウイグルの詩人としてはじめて、アメリカペンス副大統領やマイク・ポンペオアメリカ合衆国国務長官と会われた。
ئىشەنچ
تاھىر ھامۇت ئىزگىل
ئىشەنچ كۆز ئالدىمدىلا ۋايىغا يەتتى .
تۆگەقۇشنىڭ تۇخۇمىنى ھەتتا
بىمالال كۆتۈرگىلى بولىدىغان سەھەر
ئۆز ئورنىدا لەرزان ئۆرلەۋاتاتتى،
شۇنداق ئۆلەۋاتاتتى.
غەمنىڭ جەۋھەرلىرى
مەسچىت مۇنارىدىن ھالقىپ ئۆتتى،
ئەنە، ھالقىپ ئۆتتى،
مۇنارغا تېگىپ كەتمەي.
تونۇش مامكاپ گۈللىرى بىراقلا ئېچىلدى،
ھەممىسى ئېچىلدى،
مەندىن باشقىغا بىرىمۇ قالماي.
يىراقتىكى بىر مەھەللە ئاستا - ئاستا ئۆڭدى، ئۆڭدى، ئۆڭدى.
ئۇنىڭدىن پەقەت بىر ئۆي بىلەن
ئىشىك ئالدىدىكى ئۈچلا ئادەم قالدى.
ئۇلار شۇنى دېيىشىۋاتاتتى: ئۆلۈم بىزنى سۆيگەنلىرىمىز بىلەن يېقىنلاشتۇرارمۇ
ياكى شۇ مۇساپە بەكلا يىراقمىدۇ؟
ناتونۇش بىر ئايال
شۇنداق چىرايلىق ھازا ئاچماقتا
ئىچىمدە.
ئۇنىڭ گۈزەل ئالقىنىدا كۈمۈش يىڭنىلەر،
ئۆتكۈر كۈمۈش يىڭنىلەر،
يۈرىكىمدىن قۇدۇق كولايدىغان.
ئۆلمەس تۆگەقۇش
قۇدۇق تۈۋىدە ئاسمانغا قارىدى،
ئۇنىڭ ئۇزۇن كىرپىكلىرى
كۆك قەرىدىكى مەنزىلگە بەتلەنگەنىدى.
شۇ چاغدا،
ئاغزىمدىن چىققان سۆزلەر بىلەن
مېنىڭ ئارامدا
ھايات-ماماتلىق كۈرەش باشلاندى.
2020 - يىل نويابىر، فېيرفەكس


信念


ヒル・ハムット・イズギル

 

信念が私の目の前で熟したのは
駝鳥の卵を
穏やかに持ちあげられるある朝のことだった
その位置で軽やかに上昇していた
そう 上昇していた
悩みの結晶が
モスクのミナレットを越えた
それ 越えた
ミナレットには触れずに越えた
懐かしいタンポポの花が一斉に咲いた
全部咲いてしまった
私以外の人に一つも残らなかった
遠くの集落が緩々と色褪せていった
色褪せていった 色褪せていった
その場所にはたった一軒の家と
入り口の前に立つ三人だけが残された
彼らはこのように語っているようだった
「死は私たちを愛する人と近づけてくれるだろうか
それとも道のりはとてつもなく遠いだろうか」
見知らぬ女が
美しい挽歌を奏でていた
私の中にいながら
彼女の雅な手の平にある銀の針が
私の心に井戸を掘っていた
不死の駝鳥が
井戸のそばで空を見つめていた
その長いまつ毛が
空の彼方の目標を的にしていた
その時
私の口から出た言葉と
私の間に
生と死の戦いが始まっていた

 

2020年11月 アメリカ フェアファックス