Ninjin Music Blog

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愛は嘘から始まる


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ウイグル人の若手詩人、アブドゥレシット・エリ氏の書いた詩に作曲しました。原詩はウイグル語、日本語訳はムカイダイスさん。

作曲して私は最後のエンディングの部分だけ取り出し、「愛が一本のバラであるのなら」という一曲の独立した歌にしました。

教え子に歌って聞かせると、一度でこの歌が好きになり、すぐに覚えて一緒に歌い始めたので、私のほうが驚いたほどです。綺麗な声で歌ってくれました。

 

                    ・・・・・・・・・

 

タイトルは一瞬「えっ?!」と訝(いぶか)しく思うかも知れない。最初私もそう思ったが、詩を読み作曲していくうちに「嘘」を「偶然」に置き換えたら辻褄が合うのではないかと思った。

 

でも、「偶然」の中にはいろんな要素が含まれるだろう。作為的なやらせもあれば(これがいわゆる嘘にあたるかな)、本当に無心の中での偶然の出会いが重なったことによる偶然もあれば、前世からの定めのような運命的な出会いなどなど。ま、話が尽きないのでここでは深く掘り下げないで単純な意味での「偶然」(「偶然の出会い」)としておくのがこの場合無難だろうと思う。(^_^)

 

愛が芽生えそれが深まっていくと、その嘘(偶然)は真実(真剣な愛)に変貌し、ある意味二人にとっては必然の既定の事実となり、一つの意味を共有し愛を完結させたいというふうに進んでゆく。

 

しかし、そのようにならない場合もある。愛の破綻だ。永遠(真実)と思われていたものががらがらと崩れていくカオスの中にあって、人はそのカオスの中を行ったり来たり、煩悶したり投げやりになったり・・・シナリオのない世界を彷徨う。諦めても諦めきれない世界をいつまでも彷徨う。愛を求めて。

 

詩は最後に愛を一本のバラに例えてこのように謳う。

                 ◆

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花は

(ほかの誰でもなく)
あなた自身で受け取って

(そうすればその花は)

(あなたの)胸の内にいつも
咲き続けるだろう

                ◆

 

 


愛は嘘からはじまる on Vimeo

 

  「愛は嘘から始まる」
(愛が一本のバラであるのなら)

◇作曲者が歌っている歌詞

 

愛は嘘から始まる
愛は嘘から始まる

いつしか想像を乗り越えて
真実にそれは変わる
でも恋人に捨てられたなら
嘘のままであってほしい

恋人が戻ることだけが
恋人が戻ることだけが
嘘のままに 嘘のままに
嘘のままに残る

嘘について私は考える
となりの子が通りすぎても
残り香が命をとるほどに
地面に散らばろうとも
嘘が真実になる
道筋を考える

歩きながら君を振り返る
何度も何度も君を
君は真向かいの道を歩いて
人混みの中に消える

どうしてと
どうしてだろうと
自責の念に襲われる
どうしてか
どうして君を
見失ってしまったのか
やがて静かに得心がゆく

人混みが君を隠す
人混みが君を連れ去って
行ってしまう
人混みが君を隠す
人混みが君を連れ去って
行ってしまう

君を見たいと思って
君を追いかけてみても
目には何も見えない

太陽は君が去ったといい
天空から地面まで
全てが嘘であることを
望んでいる

窓が開いているのが
幸せが欠けているのが
見えるか

私の生きた生きざまが
私の肉体に魂がないのが
あなたにそれが見える
あなたにそれが見えるか

となりの娘が通り
再び通り過ぎてゆく
残り香はもうない
となりの娘が通り
再び通り過ぎてゆく
残り香はもうどこにもない

私たちが別れたあの角は
誰かをめぐりあわせ
誰かを別れさせる

私は去ったが
君のようには去れない
私は生きたが
君のようには生きられない
私は忍耐強いが
君のように強くはない
私は諦めたが
君のようには諦めない
諦めきれない

嘘から始まったことばかり
考えていられない
初めは信じられなかった真実を
思い出せない

君を待っている
ことだけをおぼえて
いる
残りは
嘘ばかり

LaLaLaLa LaLaLaLa~

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花はあなた自身で
受け取って

愛がひとつの物語であるなら
語ることはやめて
じっと見つめて

あの日がこの日と
手と手を繋いで
私が本当の私に戻って
本来の私に戻ったならば
少しももう
不思議なことではなくて
胸の内にいつも咲き続けるだろう

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花は
あなた自身で受け取って

胸の内にいつも
咲き続けるだろう

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花は
あなた自身で受け取って

胸の内にいつも
咲き続けるだろう

 

 

・原詩:Abdureshit Eli
    (ウイグルの若手実力派詩人の一人)
  雅号「闇にいる人」

・日本語訳詩:ムカイダイスさん

・編詩・作曲: historyninjin 2021/2/19

    録音: 2021/2/23

 

 

◆ムカイダイスさんのお便り 2021/2/18

 

ウイグルの詩の夕べを開催するために準備しております。コロナが落ち着いたらお知らせをします。
今日は日本語ウイグル語で朗読した、ウイグルの若手実力派詩人の一人Abdureshit Eliの詩を聴いて頂きたいです。彼の雅号は「闇にいる人」です。クールで渋い詩人です。
今日は練習用に録音しました。本番まで頑張ります。真っ赤なドレスを着て魅惑的なウイグルの音楽に合わせて詩を朗読する詩の夕べの本番まで頑張ります。

 

↓ historyninjin m(_ _)m

(ウイグル語の表記が左からになっていますことをお詫びいたします)

ياپۇنىيەدە دۇست بۇرادەر ، خىزمەتداش ، ئۇستاز
ئۇقۇغۇچىلار بىلەن "ئۇيغۇر ئاۋانگارت ياش شائىرلىرى شېئىر كېچىلىكى "ئۆتكۈزمەكچى ·كورۇنا بولغاچقا چەتئەلدىن مېھمان چاقىرالمىدىم . پۇرسەت كېيىن كۈزلەرگە قالدۇرۇلدى .
بۈگۈن مەشق ئۈچۈن دىكلىماتسىيە قىلىنغان مېنىڭ قىيامەتلىك نۇچى ئاغىنىلىرىمدىن بىرى "تۈندىكى ئادەم " يەنى ئابدۇرېشىت ئەلىنىڭ "سۆيگۈ يالغاندىن باشلىنىدۇ "ناملىق شېئىرىنىڭ ياپۇنچە ئۇيغۇرچىسىنى ھوزۇريڭلارغا سۇنىمەن .

شېئىر " ئۇيغۇر ئاۋانگارت ياش شائىرلار شېئىرلىرى "ياپۇنچە نەشرىدىن ئېلىندى . تەرجىمان مۇقەددەس نۇر ۋە ياپۇنىيە شائىرى كاۋاى ماكوتۇ .
اۋازغا ئالغان ئاكانې خانىمغا رەھمەت 😁💕

 

「愛は嘘から始まる」

(ムカイダイスさんによる原詩の編訳)

◇この詩を元に作曲にとりかかり、さらに詩を日本語の世界に編み直して前出の曲にしあげました。◇
              
愛は嘘から始まる
いつしか想像を超えて真実に変わる
恋人に捨てられた時 全てが嘘のままであって欲しい
恋人が戻ることだけが嘘のまま残る
嘘について考える
隣の娘が私の前を通り過ぎる
残り香が
命を取るほどに地面に散らばる
嘘が真実になる道筋を考える
歩きながら君の方を繁く振り向く
君は真向いの道を歩く
人混みの中に君を見失う
どうしてと自責の念にかられる
やがて得心がゆく
人混みが君を隠してしまう
君を見ることができない
太陽は君が去ったと言い
天空から地面まで
全てが嘘であることを望んでいる
窓が開いているのが 見えるか
幸が欠けているが 見えるか
私の生きざまが 見えるか
私の肉体に魂がないのが 見えるか
隣の娘が再び通り過ぎて行く
残り香はもうない
私たちが別れたあの角は
誰かを巡り合わせ 誰かを別れさせる
私は去ったが 君のようには去れない
私は生きたが 君のようには生きられない
私は忍耐強いが 君のようには忍耐強くない
私は諦めたが 君のようには諦めない
嘘から始まったことばかりを考えてはいられない
始めは信じられなかった真実を思い出せない
君を待っていることだけを覚えている
残りは嘘ばかり
愛が一本の薔薇であるのなら 自身で受け取って
愛が一つの物語であるのなら 語るのを止めて
あの日がこの日と繋がり
私は自身に戻っても不思議ではあるまい

 

سۆيگۈ يالغاندىن باشلىنىدۇ
ئابدۇرېشىت ئېلى
سۆيگۈ يالغاندىن باشلىنىدۇ،
بارا-بارا تەسەۋۋۇر قىلغۇسىز دەرىجىدىكى راستقا ئايلىنىدۇ
كېيىن مەشۇقۇڭ تاشلاپ كەتكەندە
ھەممىنىڭ ئاۋۋالقىدەكلا يالغان بولۇشىنى ئۈمىد قىلىسەن
بىراق بۇ چاغدا ئۇنىڭ قايتىپ كېلىشىدىن باشقىسى يالغان بولمايدۇ.
تۇرۇپلا يالغان توغرىلىق ئويلاپ قالدىم
خوشنامنىڭ قىزى ئالدىمدىن ئۆتۈپ كەتتى
ئۇنىڭدىن قالغان قىزلىق ھىدى
جېنىمنى ئالالماي يەرگە چېچىلدى،
تۇرۇپلا يالغاننىڭ راستقا ئايلىنىش جەريانىنى ئويلاپ قالدىم
مەن كېتىۋېتىپ سەن تەرەپكە قايرىلىدىم پات-پات
سەن كېتىۋاتاتاتتىڭ ئۇدۇل يول بىلەن
ئادەملەر ئارىسىدا غايىپ بولغىنىڭنى كۆرمەي قالدىم
نېمىشقا كۆرمىدىم دەپ ئۆزۈمنى ئەيىبلىدىم
ئارقىدىن بۇنىڭ مۇقەررەرلىك ئىكەنلىكىنى ئېتىراپ قىلدىم.
سېنى يوشۇردى ئادەملەر،
سېنى كۆرسەتمىدى كۆزلەر
سېنى كەتتى دېدى قۇياش
ئاسماندىن يەرگە قەدەر.
تۇرۇپلا ھەممىنىڭ يالغان بولۇشىنى ئۈمىد قىلدىم
دېرىزەم ئۇچۇق، كۆردۈڭمۇ
بەختىم پۇچۇق، كۆردۈڭمۇ
كۆردۈڭمۇ، مېنىڭ ياشاپ يۈرگەن تېنىمنى
ئىلكىمدە روھىم يوق، كۆردۈڭمۇ؟
خوشنامنىڭ قىزى يەنە ئۆتتى
بۇ قېتىم ئۇنىڭدىن قىزلىق ھىدى كەلمىدى
بىز ئىككىمىز ئايرىلغان ئاشۇ دوقمۇش
كىملەرنى ئۇچراشتۇرۇپ، كىملەرنى ئايرىدى ئەمدى.
مەنمۇ كەتتىم، بىراق سەندەك كېتەلمىدىم،
مەنمۇ ياشىدىم بىراق سەندەك ياشىيالمىدىم
مەنمۇ چىدىدىم بىراق سەندەك چىدىيالمىدىم
مەنمۇ كەچتىم بىراق سەندەك كېچەلمىدىم.
يالغاندىن باشلانغانلىقىنى ئويلىغۇدەك ھالىم يوق
كېيىن ئىشەنگۈسىز راستقا ئايلانغانلىقىنى ئەسلىگۈدەك ھالىم يوق
سېنى كۈتكىنىم ئېسىمدىدۇر بايىقىدەك
بۇنىڭدىن باشقىسى يالغاندۇر تولۇق.
سۆيگۈ بىر ئەتىرگۈل بولسا، بولدى ئۆزەڭ ئال
سۆيگۈ بىر چۆچەك بولسا، توختات، بولدى بەس.
ئۇ كۈنلەر تۇتاشقان بۇ كۈنلەر بىلەن
ئۆزەمگە قايتىپ كەلسەم ھېچ ئەجەپ ئەمەس.

 

 

◆愛は嘘からはじまる part Ⅱ ◆

エンディング部分だけ「愛が一本のバラであるのなら」という独立した歌にしました。教え子と一緒に歌って録音したものです。お聞きください。(^_^)

 


愛が一本のバラであるのなら on Vimeo

 

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花はあなた自身で
受け取って

愛がひとつの物語であるなら
語ることはやめて
じっと見つめて

あの日がこの日と
手と手を繋いで
私が本当の私に戻って
本来の私に戻ったならば
少しももう
不思議なことではなくて
胸の内にいつも咲き続けるだろう

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花は
あなた自身で受け取って

胸の内にいつも
咲き続けるだろう

愛が一本のバラであるのなら
愛が一本のバラの花ならば
美しいバラの花であるのなら
その花は
あなた自身で受け取って

胸の内にいつも
咲き続けるだろう

 

(編詩・作曲:2021/2/19 historyninjin )

 

 

 

Twitterより(2022/6)

https://twitter.com/muqeddes100/status/1534808844093620225?t=biVP-7PEWym3F2Qh6PAXWw&s=19

 

YouTube 2023/9/28にアップ

https://youtu.be/tM5RATtryGY?si=l0j0SILmA9yfT_ad