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ウイグル人物語

ウイグル人物語◆

 

原詩(日本語) ムカイダイス

編詩・作曲 2020/4/20 historyninjin

 


ウイグル人物語 on Vimeo

 

画像はおそらく荒野のイエス・キリストを描いたもののようだが、作曲者はイエス・キリストには全く拘泥せず、ただ悲しみと苦悩の象徴としてこれがいいなと思い選んだものである。原詩は日本語で綴られた短く素朴だが、落ち着いた心でしたためられた静かな詩である。

 

トランプ政権末期にポンペオ国務長官がはっきり、ウイグル人に対する中国の大量虐殺、強制労働並びに強制的な臓器摘出、強制的な妊娠中絶、ウイグル語の禁止ならびに思想改造などを完全に「ジェノサイド」と認定し、ウイグル問題に対する世界の思想的政治的潮流が大きく変化するようになった。

 

時にユダヤ人のホロコーストと比較して論じられることもあるが、そのような観点から考えるならば、現代の人類の十字架を背負って新たな世界へと生まれ変わるために犠牲の子羊のような立場に立たせられたのがウイグル人と見なせないこともないが、それはキリスト教神学が描き出す一種のドグマ的解釈であり、強制することには無理がある。そしてそれはあまりにも残酷なことであり不当かつ不条理なことだ。ウイグルのジェノサイドの問題は粛然として人間の為意性としてどうなのかという人権問題として提起されなければならないと思う。

 

そのような立場にウイグル人を意図的かつ集団本能的に追い込んでいるのは、事実上中国(漢人)である。その残虐な仕打ちを、むかいだいすさんの詩は訥々と、辿々(たどたど)しくも語っている・・・。

 

ムカイダイスさんの詩「ウイグル人物語」(原詩)

 

闇夜に気の触れし者は
枯れ草の茎のごとく
哀しき物語を語る

私は
乱れを知らぬ心には見えぬ者
天空を彷徨いし者
時から取り残されし者
古より生きし者
よるべなき者たちに呼ばれし者
老いた母が語り
子らを
闇夜で震え上がらせる
始まりも終わりもない
ひとつの物語なのだ

2020/4/20

 

 

ウイグル人物語」(編詩し、作曲者が歌っている歌詞)

 

ここに一つの物語
始まりも終わりもない
老いた母が語り
子らを
闇夜で震えあがらせる
一つの悲しい
物語がある

ここに一つの物語
始まりも終わりもない
老いた母が語り
子らを
闇夜で震えあがらせる
一つの悲しい
物語がある

私は乱れを知らぬ心には
見ることはできない
私は天空をあてどなく
さ迷ってきたよ

時から取り残されし者
いにしえより生きてきた者

寄る辺ない者たちに
見つめられ
呼ばれし者
寄る辺ない者たちと
手を携えてきた者

私は闇の夜に
気のふれし者
枯れ草のように
闇の夜をさ迷いし

悲しい一つの物語
悲しい一つの物語
私は一つの物語

悲しい一つの物語
悲しい一つの物語
語り尽くせない物語

ここに一つの物語
始まりも終わりもない
老いた母が語り
子らを
闇夜で震えあがらせる
一つの悲しい
物語がある

 

編詩・作曲 2020/4/20 historyninjin

 

✳️同じタイトルでもう一つの作品があるので、そちらをウイグル人物語(2)としました。↓

https://ninjinmusic.hatenablog.com/entry/2021/09/11/190617